環状ホスファチジン酸(cPA)の生理活性解明から新薬開発へ向けて

後藤 真里/GOTOH, Mari

室伏 きみ子/MURAKAMI-MUROFUSHI, Kimiko

キーワード
  • 環状ホスファチジン酸(cPA)
  • 生理活性脂質
  • がん浸潤・転移抑制
  • 脳血管疾患予防
  • 鎮痛作用

研究内容

■概要(背景・目的・内容)
環状ホスファチジン酸(cPA)

環状ホスファチジン酸(cPA)は、ヒト血液中に含まれる生理活性脂質の一種で、独特の環状リン酸構造は生体の脂質類に例をみず、その生理活性の解明が注目されています。これまでに室伏きみ子研究室では、cPAが1) がんの浸潤・転移を抑制 (K. Murakami-Murofushi, et al., Biocim. Biophys. Acta, 1582, 1-7 (2002))、2) 脳虚血が引き起こす海馬の遅発性神経細胞死を抑制 (M. Gotoh, et al., E. J. Pharm., 649, 206-209 (2010))、3) C線維を介した痛みを抑制 (Y. Kakiuchi, J. Nagai, M. Gotoh, et al., Mol. Pain, 7, 33 (2011))、などの 生理活性を持つことを明らかにしてきました。現在、cPAのこれらの生理活性を利用し、新規抗がん剤、脳血管疾患予防薬、鎮痛薬などの開発と、機構の解明を目指した研究を行っています。

■プロセス・研究事例
  • -cPAの安定誘導体の設計、合成
  • cPA安定誘導体の活性測定
  • cPAの特異的生理活性作用機序の解明
  • -cPA、cPA安定誘導体の投与方法の検討&毒性試験
■潜在可能性(応用・将来展望)

常に死亡率の上位に挙がる「がん」や、「脳血管疾患」、また、多くの病気においてQOLを低下させる「痛み」の治療に、cPAを応用できる可能性を考え研究を進めています。


特許・著作物等の知財情報、製品化情報、あるいは社会貢献実績

  1. 1) Mari GOTOH, Harumi HOTTA, Kimiko MURAKAMI-MUROFUSHI, “Effects of cyclic phosphatidic acid on delayed neuronal death following transient ischemia in rat hippocampal CA1”
    European Journal of Pharmacology, 649: 206-209, 2010
  2. 2) Yasutaka KAKIUCHI, Jun NAGAI, Mari GOTOH, Harumi HOTTA, Hiromu MUROFUSHI, Tomoyo OGAWA, Hiroshi UEDA, Kimiko MURAKAMI-MUROFUSHI, “The anti-nociceptive effects of cyclic phosphatidic acid and its derivative in animal models of acute and chronic pain”
    Molecular Pain, 7, 33, 2011
  3. 3) 出願番号:特願2009-268225

産学官・社会連携の可能

■共同研究
■知見の教授・共有
研究者情報
自然・応用科学系 / センター
サイエンス&エデュケーションセンター
http://bios.cc.ocha.ac.jp/data/murofushi/top.html
【連絡先】 gotoh.mari[at]ocha.ac.jp / TEL:03-5978-2568 / FAX:03-5978-2568
【専門分野】 細胞生物学、脂質生化学

2012年12月13日 にアップロード