中性子散乱による強相関電子系の研究
古川 はづき/FURUKAWA, Hazuki
- キーワード
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- 強相関電子系
- 超伝導と磁性
- 中性子散乱実験
- 物性実験
- 低温
研究内容
■ 概要(背景・目的・内容)
中性子散乱法を用いて強相関電子系の研究を行っている。研究対象として近年取り上げた物質は、新奇超伝導CeCoIn5、モット絶縁体、p波超伝導Sr2RuO4、RENi2B2C(RE=Y and rare earth)とその関連物質である。(1)CeMIn5 (M=Co, Rh,Ir) 異常超伝導状態について
準2次元重い電子系超伝導体CeCoIn5では強いパウリ常磁性効果により特異な超伝導混合状態(FFLO状態)が実現すると考えられている。古川研では、FFLO状態の存在を直接的に実証するため中性子小角散乱実験による超格子反射の観測に挑戦している。
(2)Sr2RuO4の超伝導体対称性の検証
Sr2RuO4はp波超伝導であると言われている。しかし、p波超伝導の発現に寄与することが期待される強磁揺らぎについてはその存在が明確でなく、逆に、大きな反強磁性揺らぎを示す。来年度以降実施を計画している中性子小角散乱実験用の大型単結晶試料の育成、および、得られた試料の物性評価を行っている。
■ 応用・将来展望
最近、超伝導現象と磁性の関わりについて研究を行っています。現在の研究テーマは、強磁性超伝導に期待される自発的磁束格子構造の実証、および、CeCoIn5で実現していると思われているFFLO相を実証する事です。
これら2つの現象は、ともに数十年前に理論的に予言された現象で、これまでに現実の系で実現していることが確認されていない問題です。
これらの現象を実験で実証するのは非常に難しく、チャレンジングです。
これまでに培った知識を生かし、可能な限りの集中力で実験の準備を進めています。
■ 活動実績
主要研究成果
2020年6月16日 にアップロード